重症心身障害児施設とは、重度の肢体不自由や知的障害が重複した障害を持つ子供達を受け入れる施設である。これらの施設は多様化するニーズに合わせながら、障害のある子供を持つ保護者の負担を軽減する目的で作られている。
重症心身障害者という名は医学的な診断名ではなく、福祉において行政上での措置を講じるための呼称だ。
この障害に対する判定基準は明確ではないものの、大島分類と呼ばれる特定の分類法によって判定することが一般的とされている。この大島分類での判定の結果、日本国内にいる重症心身障害者の数は約4万3000人と言われている。
重症心身障害児に分類されるのは、肢体不自由児の中で寝たきりの状態の子供達だ。また、座ってはいられるものの、歩けない状態の子供もこの障害に含まれる。
重症心身障害児施設としては学校教育法に基づく教育機関の特別支援学校があるが、民間運営の施設も多く存在する。民間の施設は、子供が入所して生活支援を受けるサービスを提供している所が多い。
これらの障害児施設では18歳までを対象とする所が中心で、施設によっては18歳の誕生日を迎える前月までの入所が可能という施設もある。
この障害に分類されるのは歩行が不可能な子供達だが、伝い歩きが出来る程度であれば受け入れ可能としている所もある。
この様な施設では、介護サービスを提供する生活支援の部門は勿論、看護部門も重要な役割を果たしている。看護部門では胃ろうの管理、気管カニューレや経鼻エアウェイ等の人工呼吸の管理など、介護職では行えない医療処置も行っている。